New Education Expo2019
AI時代に必要となる情報教育
音楽ソフトを使ってオリジナルチャイムを作ろう
獨協埼玉中学高等学校 相原結先生
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私からは、ICTを活用した「オリジナルチャイムを作ろう」という創作活動の授業をご紹介します。これは、授業の前後に鳴る始業・終了のチャイム以外に、学校生活のいろいろな場面のチャイムを生徒たちが作曲するのですが、どんな場面でチャイムを鳴らすのかは、生徒が自由に設定します。
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始めに、この創作活動の位置付けについて、説明します。基本的な情報として、授業数は50分を2コマ、使用機材は富士通LIFEBOOK LH55/C2、ソフトはフリーソフトのMuse Score3使用をしました。
授業の要点は、日常よく聞くチャイムの音を使って、音のつながり方、特徴や印象を各自の感性でとらえることです。自分の作りたい雰囲気をイメージしながら工夫して音を並べ、オリジナルのチャイムを創作します。作曲をすることによって、創作表現に必要な知識と技能を習得するのが、活動の目的です。
この授業を紙と鉛筆だけでやろうとすると、生徒はまず、楽譜に音符が書けないというところでつまずきます。書けたとしても、今度はその音符がどんなメロディーになるのかわからない。それを教員が五線紙を回収して、ピアノで弾いてあげて「あなたの曲はこんな曲だね」と示してあげるのには、かなりの時間がかかります。
それならリコーダーで音を確認しながら作曲してごらんと言ったところで、リコーダーが吹けない生徒がほとんどなので、その練習に付き合うことで、また時間がかかります。そのうち、授業時数もどんどんなくなってしまい、待っている生徒も増え、生徒は何をやったらいいかわからなくなってしまって、そのうちに作曲が嫌いになり、授業が嫌になってしまいます。
そういった悪い流れを避けるため、「Muse Score」(※)というソフトを使うことにしました。
Muse Scoreというのは、無料の楽譜作成ソフトです。先ほど川西先生が使われていたのと同じものです。Muse Scoreでは、生徒が苦手とする楽譜を書くことと、どんな音がするのかというところを、目と耳で同時に感じ取ることができます。試しに音符を入れてみましょう。
[実演]



Muse Scoreに適当に音符を入れると、簡単に曲を作ることができます。そこから音符をどのように並び変えてみたり、あるいは後から作曲の知識を学んだりすることで、生徒たちも「なるほど」と納得しやすくなり、こんなふうに音符を並べ替えたらこんな感じなんだ、ということが体感できるのです。
時間がかなり短縮できるので、中学1年生の初めての授業、初めてのパソコン、初めてのMuse Scoreでも、生徒たちは50分間の授業の中で、全てのチームが4小節のチャイムを作曲することができました。
Muse Scoreの操作はとても簡単で、生徒が初めて使ってもすぐに使い方を理解できるのが魅力です。 音符を打ち込むのと同時に音が鳴ります。生徒は自由に音を選んで、楽譜に記入するという作業がとても簡単にできます。再生するのもとても簡単で、自分が打った音楽がどんな音楽だったかというのを、すぐに聴くことができます。
生徒がもう少し高い音が使いたいと思えば音を高く、低い音にしたいなといえば低くということも簡単に操作できます。私自身、パソコンや機械の操作はどちらかというと苦手なのですが、この授業の準備にはほとんど時間がかかりませんでしたし、操作も簡単だったので、このソフトさえ知っていれば、簡単に創作の授業に取り入れることができると思いました。
パソコンをまだうまく使えない子が、題名を入力するときに漢字変換ができなかったり、ローマ字の大文字を入れられなかったり、パソコン自体がフリーズしたり、ということはありましたが、そういった課題についてはこれから改善していこうと思います。
授業が終わったときに、生徒たちからは「すごい楽しかった」「もっとやりたい」「1曲できたから次を作っていいですか」などという、前向きな発言がたくさんありました。これからもパソコンを活用して創作授業をやっていけたらと思います。
実際の授業風景
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