バーチャル情報入試シンポジウム2020春 on YouTube Live(ニューシン2020)
セッション1まとめ 情報活用能力を問う大学の取り組み
発表者:安田豊先生(京都産業大学)
長瀧寛之先生(大阪電気通信大学)
司 会:角田博保先生(元電気通信大学、東京都立産業技術高等専門学校)
角田先生(司会):
今のお二方のご発表は、両方ともAO入試です。情報を専門とする学科の入試ではAOがうまくいく、ということですが、大阪電気通信大学は、情報特化でない学部(※1)も導入されていますね。そこでもプログラミングでAO入試を採用しようということになったのですね。
※1 工学部(電子機械工学科)、情報通信工学部(情報工学科、通信工学科)、総合情報学部(デジタルゲーム学科、情報学科)
長瀧先生:
はい。私自身は、このAO入試のそのシステムの構築や受験方式をどうするかという形のほうを主に担当していたので、いろいろな学部・学科にこれをやりませんかと声をかけ、導入したのが3学部5学科です。できればもっといろいろな学科に採用してほしいな、いう気持ちもありますね。
角田先生:
情報専門の学科でなくても、プログラミングの能力で評価しようと考えられる学科があるというのはたいへん嬉しいですね。安田先生の学科は、情報の専門学科ですから、情報で突き出た学生が欲しいということで、AO入試をされているわけですよね。
安田先生:
はい。そういう学生を一般入試で選ぶのは難しいので、私たちはこういった試験で一部の突き出た学生を採りたい、という希望があります。そうすると、少々難しめの試験でもよいし、厳しめの面接をしてもよいではないか、ということで始めたものです。
角田先生:
これを他の学科にも広げるということは可能でしょうか。
安田先生:
このAO入試はもう5年行ってきているので、作題する側と、受験者のレベル感の意識合わせがかなりできたと思います。ですから、他の学部で実施される場合であっても、「このぐらいの感じで作題したら何とかなりそうだ」というレベルで作ってみて、仮に少々問題のレベルが受験者と合わなくても、面接で救える方法がいくらもあります。その意味で、AO入試という形で導入するのは楽だとは思います。
角田先生:
ただ、AOだとそれほど多くの人数を採ることはできませんよね。もっと多数の学生を採れる情報入試の方法は、何かないでしょうか。
安田先生:
先ほど長瀧先生がおっしゃっていたCBTは、良い方法だなと思いました。やはり規模を大きくしやすいと思います。
角田先生:
今回のコロナ騒ぎで、図らずもオンラインが抵抗なく使われるようになっているという感があります。ここがチャンスといえばチャンスで、入試もオンラインでやろう、という形で進んでいければ、CBTという形で情報入試が取り入れられる可能性は十分大きくなるのではないかと思いますが。
安田先生:
私は、今年度実施するAO入試をどうするかが一つの鍵だと思います。AOは時期的に夏の実施が多く、一般入試よりはかなり時期が早いですから、学校の授業もまだ遠隔でやっている時期ですから。
角田先生:
面接は遠隔でできますが、その前に行う試験のほうが難しいですね。CBTのうまい設備があればよいですが。
安田先生:
偶然ですが、本学もLMSは大阪電気通信大学さんと同じくMoodleですので、長瀧先生にノウハウを教えていただきたいと思います。
角田先生:
長瀧先生が試験に使われていた計算機室も、座る場所を2m以上離すなどと決めれば、今のまま使えそうですね。
長瀧先生:
そうですね。そもそも受験生同士を2m間隔で座らせないと、隣の人の画面が見えてしまいます。ですので、今のままでこの状況にも十分対応できると思います。