New Education Expo2022
ワークショップ
矛盾する情報を読み解くスキルを身に付ける学習活動とは
~ポスト真実時代の情報リテラシー育成に向けて
専修大学 望月俊男先生
矛盾する情報がまん延する現代だからこそ、求められる新たな情報リテラシー
今日のワークショップは、「矛盾する情報を読み解くスキルを身に付ける学習活動とは~ポスト真実時代の情報リテラシー育成に向けて」というタイトルで実施します。
さて、現代はいろいろな情報があふれています。例えばダイエットについてちょっと検索しただけでも、糖質制限ダイエットとか脂質制限ダイエットとか、あるいはバナナダイエットがいいとか、リンゴダイエットがいいとか、いろいろなものがあります。
日常の問題解決でも、Webサイトを調べてみるとたくさんのサイトが矛盾することをいろいろ言っている、ということがあると思います。専門的な情報になればなるほど、結局情報はいろいろあっても、素人は何をどのように理解すればよいかが、よく分かりません、ということになってしまいます。
また、何が信頼のおける情報なのかということを読み解くことも、難しい時代になってきています。たとえば、新型コロナウイルスの話で言えば、最近までイベルメクチンが効くのか、効かないのか、といった論争がずっとありました。先日、5月20日には、「イベルメクチンはコロナに対して効果があるのではないか」という話がWebサイトに出ていましたが、3月31日のNHKのニュースでは、「イベルメクチンはコロナには効かない」という論文が出た、という正反対の報道をしています。探してみればみるほど錯綜しています。これをどうやって読み解いたらよいのかということについて考えていくことは、いろいろな矛盾する情報がまん延している今だからこそ、非常に大切であると思います。
今日は、まず神戸大学の山口先生から、これまでの情報リテラシー教育の概要と、「ポスト真実時代」にあってはそれをどのように考えていけばよいか、ということをお話ししていただきます。
次に、ラトガース大学のChinn先生から、矛盾する情報と向き合うときに、どのような思考法を学ぶ必要があるのか、エビデンスを把握することの大切さについてお話ししていただきます。そして生田東高校の大石先生から、矛盾した複数の文章の読解を通した情報リテラシーを扱った「情報」の授業の実践事例をご紹介いただきます。
その後、矛盾する情報を読み解くための協働学習ツール「EDDiE (Electronic Documents Disagreement Evaluation)」(※)を使ったワークショップを行います。
※https://www.spiceworks.co.jp/works/detail/159
New Education Expo2022 ワークショップ講演より