オンラインイベント 教科『情報』授業のあり方を考える ~共通テスト試作問題をうけて~

共通テストに向けた授業設計のあり方 -思考力・判断力・表現力等を育成する情報Iの授業設計と実践-

桃山学院大学 竹中章勝先生

「情報I」の授業が始まって、ほぼ1年が経とうとしています。今日は、この「情報I」の実践等について、「共通テストに向けた授業設計のあり方」というタイトルでお話ししたいと思います。副題として、「思考力・判断力・表現力等を育成する情報Iの授業設計と実践」とあるように、本日は主に授業づくりをどのように考えるべきか、というお話をしていきます。

 

簡単に私の自己紹介をいたします。

 

2004年から中高一貫校で、情報科の教員として勤務して、その後、今は大学で講義を担当しながら、文部科学省の学習指導要領の改善協力者や、文部科学省ICT教育情報活用教育アドバイザーとして、各都道府県や市町村の教育委員会等のお手伝いをさせていただいています。

 

これに伴って、現在文部科学省で行っている動画教材の作成やセミナー等も担当させていただいています。また、情報処理学会での活動や、検定教科書の執筆等もさせていただいています。そういった視点から、教科「情報」をどのようにとらえるか、ということを考えていきたいと思います。

 

 

高等学校情報科を取り巻く現状~大学入学共通テストでは何が問われるか

 

はじめに、高等学校情報科を取り巻く現状です。

 

今年度、新しい学習指導要領が始まりました。先生方におかれましては、ほぼ授業が終わって、最終の仕上げに入っている時期かと思います。今年1年、本当に試行錯誤をされながら、いろいろな取り組みをされてきたことと思います。

 

また、小中学校に続いて高等学校でも高等学校版GIGAスクール構想が始まり、タブレットを活用した授業等も進んでいるかと思います。

 

そして、今年は大学入学共通テスト(以下、共通テスト)で各大学が「情報I」を具体的にどのように扱うか、ということも公表され始めました。学校の授業を進めながら、「情報I」が共通テストに入るというところで、どのように受験対策を進めていけばよいか、と不安になっている方は、たくさんいらっしゃると思います。

 

 

今、いろいろなところで話題になっているChatGPT(※1)で、共通テストについてどのようなことが言われているのか、ということを調べてみました。

 

 ※1「OpenAI」が開発した自然言語生成モデルで、AIによって対話形式で質疑応答ができるチャット

    ボット 

  https://openai.com/blog/chatgpt/

 

するとこのように、英語でずらっと出てきます。うまいなと思うのは、人間が入力したかのように、単語ずつで表示してくるところですね。こういった情報の表現の仕方はなかなかすごいと思いました。

 

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そしてこの英語を、DeepL(※2)という翻訳ツールで翻訳かけてみたところ、スライドの右のような日本語の内容にすぐに翻訳されます。これを見てみると、「シラバスについて」、「ハードウエアについて、ソフトウエアについて、セキュリティなど試験で必ず問われるトピックを慣れ親しんでおきましょう」「サンプル問題で練習しましょう」などということが書かれています。

 

※2 https://www.deepl.com/ja/translator

 

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重ねて言いますが、これはAIが回答してきた内容です。皆様はこれを読まれて、どのように感じられるでしょうか。一般的なテクノロジーの検定や試験であれば、こういったやり方も成り立つかもしれません。しかし、私が申し上げたいのは、今回の学習指導要領や共通テストに向けた流れとして、本当にこのような勉強のしかたで大丈夫でしょうか、ということです。

 

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皆様からいただいた事前アンケートには、「過去問がない中で、どう対策していけばよいのか分からない」、「多くの学校が、いわゆる情報科教員が一人の『一人教科』なので、学校の中に相談する相手がいない」、「内容が幅広くて深く、そもそも教科書の内容が2単位の時間の中では扱いきれない」、「中学校までの学びの内容がまちまちである」、「高1で履修して、高2、高3と、どうつなげていけばよいのか」といった様々な懸念が挙げられました。

 

また、「生徒が私学志望であったらどのように指導したらよいのか」や「自分は情報の専門でないので、どうすればよいかわからない」といった不安な気持ちが書かれたものがありました。

 

 

そこで、今一度共通テストとはどのようなものか、ということに立ち返って考えると、「学習指導要領に基づいた学びの達成度を測る」というのが、各教科に共通する内容になっていると思います。

 

さらに、これを受験して入試に合格し、大学で学ぶことになったときに、必要となる力を測るということもあるでしょう。

 

今、大学の初年次教育で、データサイエンスの基礎を学ぶことが求められて始めており、このコロナ禍以降はオンラインを活用した学びやオンデマンドで自分で学ぶ学びも増えてきています。

 

また、卒業して社会に出てからも、情報を活用する力を伸ばす、ということが、「情報I」で授業をしていく上で、非常に重要なことになると思います。

 

ですから、まずは学習指導要領に沿った授業の中での活動を大切に扱うことが第一です。従来の入試対策の常道だった、過去問を基にした、いわゆる「傾向と対策」に過度に注力せず、「情報I」の目指す能力を育成する授業づくりが大事であると考えます。

 

 

とはいえ、受験対策をどうするか、ということは先生方も非常に気になるところだと思います。大学入試センターからは、「試作問題」と「サンプル問題」が、今まで3種類公開されています。

 

直近では、昨年の11月に「試作問題」が公開されました。いろいろなところで話題になっていて、高校の先生方以外の方々もSNSを含め、様々なところで議論がなされています。

 

この内容を見てみると、問題文で丁寧に問題の前提となる状況が示されており、問題文を含めて、非常に情報量が多くなっています。そして、考える手掛かりが示されながら問題が進んでいくというスタイルで、これは共通テストの全ての教科で同じような傾向になっているかと思います。

 

そして、学習指導要領にあるように、社会とのつながりと、「情報的見方・考え方を使って問題を解決する」ことが重視されています。さらに、一発勝負で解決をするということではなくて、改善の活動を扱うようなストーリーが多いかと思います。

 

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「情報I」の授業設計にあたって

 

では「情報I」の授業設計はどうするか、ということを考えていきましょう。

 

「情報I」を取り巻く環境はこちらに上げたような状況です。

 

 

下の図は、学習指導要領の総則に書かれているキーワードを図にしたものです。学習指導要領において学びの目指す姿は、「予測不可能な未来を生き抜く力」を求めることが大事である、ということになっているかと思います。

 

つまり、学習指導要領では、「過去問から類推して過去に問われたことを振り返る」ことではなく、まさにここにあるように、「未来を生き抜く力」としての思考力・判断力・表現力や、言語能力、情報活用能力、問題発見・解決能力等を育んでいくということが、全ての教科・科目で求められています。

 

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そういったことを踏まえて、学習指導要領の「情報I」が下のスライドの順番になっていることは、皆様もご承知の通りです。つまり、情報社会においては、情報技術を活用した問題解決、そして創造が求められているということかと思います。

 

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ですから、実際に体験し、手と頭を動かしていくことが大切である、ということが、随所に表れています。

このように、知識・技能をベースとして、思考・判断・表現の力を付けていくことが今回の学習指導要領の目指すところですが、「情報I」の共通テストの試作問題を見ても、「問題文で示されたシチュエーションでどのように解決していくのか」というストーリーになっています。

 

ということは、内容や知識もさることながら、実際に手を動かしながらいろいろなことを体験し、作り出していくこと。そして、問題解決のための製作や評価を行い、またそこから検証そして改善をしながら、もう一度知識に立ち戻って次の問題解決方法に進むという、「改善」の活動が、非常に大事になってきています。

 

そのためには、生徒が一度作った作品を、先生方が形成的な評価をしてアドバイスしたり、生徒同士の相互評価の中から改善をしたり、という場面を入れた授業を作る、ということになります。ただでさえ授業時間が足りない中ではありますが、むしろ知識・理解は、座学よりもこういった活動の中から自分で学んでいく、といった授業設計の変更が大事ではないかと思います。

 

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それらの単元ごとの知識を一つずつ教えていくよりも、単元間で連携しながら、例えばあるところではPBL(Project Based Learning)として、プロジェクト型で一つのものを作っていく、という形を取ることも可能です。

 

ものを作る過程で問題発見し、解決する。それをどのようにユーザーに伝えるかというところでは、コミュニケーションや解決方法の手順をコンピュータで処理を自動化したり高速化したりするというところで、プログラミングを使う場面が出てくることもあるでしょう。

 

さらに、1回やってみたものを、ログを取ったり意見を聞いたりすることでデータを収集して分析したり、それを未来を予測しながら改善するために、統計手法を使って分析する、というような流れもできると思います。これを1つのパッケージとして、授業に持っていくことも可能ではないかと思います。

 

 

このような形で、知識・技能をベースに、思考・判断・表現をすることになりますが、知識を獲得した上で、表現活動の中で価値づくりをし、さらにそのアウトプットをもとに、また改善をしていく。

 

そして、よいものができたということになれば、何よりも生徒の自己有用感や達成感、自己肯定感を高めていくような内容になればと思っています。

 

 

大学入学共通テストに向けてた授業の工夫のあり方

 

ここからは、いよいよ大学入学共通テストに向けて、というお話をします。

 

試作問題全体を通して見ると、先ほど申し上げたように、まず状況や課題を、長い問題文を読んで把握し、理解することが、全ての教科で求められています。いろいろな方が「情報処理能力の問題だね」とおっしゃっています。

 

そして、知識とともに思考力・判断力・表現力が求められるということで、知識があれば解けるような一問一答形式ではなく、具体的な知識を持っていなくても、問題を解く上で、その技術の理解が進むようなつくりになっていると思います。今回の「試作問題」で言えばパリティビットの問題やQRコードの問題、「サンプル問題」のサブネットマスクの問題など、「それ自体の技術を深く知っていなくても解ける」という問題が中心になっているのではないかと思います。

 

 

「長い問題文をどう読み解くのか」とか、「状況の判断やその中から問題点を発見するのはどうしたらよいか」ということをよく聞かれますが、1つの事例として、私が実際に行っている実践をご紹介します。これは、毎週の授業で、この1週間で主に情報関連のニュースを意識して探して読んでおいて考察したことを、授業の初めに文章でまとめ、コンピュータ端末で入力したものを提出する、というものです。

 

 

まとめのポイントは、このニュースの問題点は何か、どんな技術やどんな背景があるのか、その問題点にははどんな解決が示されているか、自分ならどう考えるか、といったことです。これらを自分の言葉で文章にまとめます。

 

これを短時間であっても毎週行うことで、例えばキーボード入力や、文章を構造化して読むことのトレーニングにもなります。さらに、言語能力の育成にもつながりますし、社会とのつながりを意識したり、情報的な観点の知識・技能を駆使して思考・判断・表現したりすることができるのではないかと考えています。これは、生徒自身が「情報I」で求められる知識や問題解決の学びに、日頃から意識を持って向かうことになるのではないでしょうか。

 

 

そういった意味で、「試作問題をどう解くか」を、授業でどのように取り上げるか、ということを考えてみましょう。

 

「これはテストに出る問題だから、解き方を覚えよう」ではなく、「この問題を解決するためには、どんな知識が必要なのだろう。文章を読み取ると、どういうことができるのだろう」ということを示して、自分で問いを立てたり、教員からの問いについて調べたり、教科書やその他の書籍、ネットなどから自分で調べたりする、ということが大事であると思います。

 

 

例えばネットワーク構成の問題です。これは先日文部科学省の高等学校「情報Ⅰ」オンライン学習会(※3)でもお話をしましたが、「プライベートアドレスはこういうものですよ」とか、「トポロジーとはこういうものだから練習問題を解いてみましょう」ということよりも、これらをさらっと説明した上で、実際に自分のコンピュータのIPアドレスを調べてみようとか、サブネットマスクについて調べてみよう、といったことを行います。

 ※3  高等学校「情報I」オンライン学習会 [第5回] 情報通信ネットワークの仕組みと運用

 

その上で、生徒同士で「これらの便利なところは何なのかを考えよう」といった議論をしたり、すぐに調べるのではなく、一度自分で仮説を立て、それを検証したりする、というループが大事ではないかと思います。

 

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サブネットマスクも、「サブネットマスクとはどういうものか」をただ覚えるのではなく、例えば10進法で書かれた数字を2進法に直すために、自分で表計算ソフトの関数で作ってみる、ということもできます。もちろんプログラムで作る、ということもありだと思います。

 

こういった変換プログラムを作ってみることで、「ネットワーク」と「プログラミング」が一挙に学べることになります。

 

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また、ネットワークでサービスをどのように提供するか、というところでは、技術的なことを深く知らなくても、「こんなことができるのではないか」「こんなことを体験したよ」というところから問題発見解決につなげたり、セキュリティについてどんなところに気を付ければよいか、ということを考えさせたりすることができます。

 

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2単位では時間が足りない、という部分については、単元連携をしたり、ふだんの生活の中の体験から社会とのつながりを呼び起こしたりすることでカバーできると思います。

 

また、自分たちはどんなサービスをつくってみたいのか、どんなことに気を付けるべきか、ということを考えることで、問題解決を創造的な学びにつないでいけるでしょう。

 

 

そして評価においては、「知識・技能」、「思考・判断・表現」、「主体的に学習に取り組む態度」について、それぞれ観点別評価を行うのですが、そこでは自分の活動をノートやポートフォリオにどんどんまとめていって、それを生徒自身が定性的・定量的に評価していき、「こういうことだったのか」ということに気付いていけるような仕組みを盛り込んでいくのが大事であると思います。

 

つまり、自己評価と教員による見取りで評価を進めていく、そして何よりも創造的な部分で、「なるほど」という声をお互いに出し合うということがよいのかなと思います。

 

 

1年生で終わってしまう「情報I」の学びを、この先2年生・3年生の学びの中でどうするか、ということについて。

 

「情報I」のポイントは問題発見・解決なので、例えば学校行事の中で、生徒たち自身が主体的に問題解決し、伝達していくという活動ができると思います。情報科の先生は、学年会や各種委員会の先生方に、「情報でここまでやっているので、ぜひ生徒に進めさせてください」とお話しして、学校全体の取り組みにしていくことができるでしょう。

 

また、これはすでによく言われていますが、総合的な探究の時間に取り入れるということ。さらに、他教科も含めてGIGAスクール端末で導入された活用も重要です。「表現」については、コンピュータ教室に高スペックのPCと、大きく高解像度のディスプレイを置いて、動画作成やポスター作成など様々な場面で活用できることにすることは非常に重要であると思います。

 

そういったところで継続的にコンピュータ教室を活用できるようにして、ある程度端末の利用実績も上げていかないと、なかなか次の機器更新の予算化にもつながらないと思います。このように、問題演習や暗記だけでなく、日々の活動が大事であると思います。

 

 

授業づくりや問題演習のヒントになるものは…

 

そして、そうは言っても共通テストでどんな問題が出題されるのか、参考になる問題が少ない、という点については、これまで個別テストに「情報」を課していた大学の入試問題が参考になります。

 

「情報I」で扱う内容は、非常に範囲が広く、技術的な深さも扱い方によって変わってきますので、授業の中で取り組む内容を作っていくのは非常にたいへんで、先生方もとても苦労されていると思います。ですから、各大学の個別試験の内容を、知識獲得の材料としてでなく、問題解決の方策と、その関連知識として活用する、ということは非常に意味があると思います。

 

 

こちらは2017年の明治大学情報コミュニケーション学部の入試問題(※4)第IV問です。この問題は、データ活用からどのようなモデルを当てはめるのかを考えてから、数理モデルから事象の数値を捉え、考える問題、表計算ソフトを使ってデータ処理を行う問題、計算結果から状態・傾向を読み取り、根拠を持って推測する問題、政策に適用する問題、同じ考え方を使って他のモデルの事象を考察する問題、という流れで、最後にそれを文章で表すという、問題解決の流れを踏まえたものになっています。

 

※4「キミのミライ発見」入試問題検索サイトより 明治大学情報コミュニケーション学部2017年入試

 

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授業づくりのヒントとして、最近文部学省では様々な先生方の知見を集めた研修やオンラインビデオ(※5)が公開されています。先生方の研修だけでなく、生徒の皆さんが直接見て自学自習することもできるつくりになっています。また、授業の導入で使えるような動画もたくさん作られていますので、ぜひ活用なさってみてください。

 

 ※5 文部科学省「高等学校情報科に関する特設ページ」

 

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また、河合塾では、大学入試情報(※6)とともに、「キミのミライ発見」サイト(※7)で、先生方が発表された授業実践の内容を分野別にまとめています。

 

※6 https://www.keinet.ne.jp/exam/

※7 https://www.wakuwaku-catch.net/

 

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こういったものを活用しながら、学習指導要領で求められている内容に基づいた力を、骨太な授業でしっかり身に付けさせていき、その先に共通テストがあるという形が望ましいと思います。共通テストではどのような力が求められているのかということを、今一度整理しながら考えていただきたいと思います。

 

 

そして大切なのは、1人で抱え込まず、皆で授業実践を共有し、助け合ったり、ディスカッションしたりながら、力を合わせて情報科の学びをつくり上げていくということです。ぜひ、皆様でいろいろな知見の共有ができたらと思います。

 

 

【質疑応答】

 

Q1.高校 情報科教員 

「情報的な見方・考え方」ということを示していらっしゃいましたが,具体的にはどのような事でしょうか。

 

A1.竹中先生 

「情報的な見方・考え方」として、例えば、問題解決において情報ネットワークを使って足がかりとなる知識を見つけ出し、その問題解決においてコンピュータを使って数値的に解析したり、プログラムを作って自動化してみたり、人に伝えたりコミュニケーションをしたりするために動画を作成したり、ポスターを作ったり、SNSを活用するなど、情報的な見方考え方を活用していくことを指しています。

 

また、他の教科の中では、その教科的見方・考え方(例えば「理科的見方・考え方」「国語的見方・考え方」)と「情報的見方・考え方を融合して授業で考えていく、ということです。

 

例えば、理科の授業において「理科的見方・考え方」で力学的なモデル化をしたときに、コンピュータでシミュレーションをしてみる、表計算ソフトを活用して数値的に計算してみるなど、「理科的見方・考え方」と「情報的見方・考え方」を融合して、思考・判断・表現をしながら問題解決をしていくことが大切であると考えています。

 

 

 

Q2.企業 

ポートフォリオの定量評価はどのようにされるのですか。例を教えてください。

 

A2.竹中先生

 それぞれの教科単元における「目標・めあて」と、「評価の観点」を考えて授業計画を立てられていると思います。このそれぞれの評価の観点で「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に向かう態度」においてそれぞれ評価の観点を作成していきます。

 

例えば、「情報デザイン」の分野で、コンセプトを決める上で、「誰に・何を・どんな場所で・どんな方法で伝えるか計画をする」というところで、項目数とその深さなどを定量評価したり、実際の作品にどのくらい反映されているか。そして、その作品の中で、自身が工夫したところや表現した項目を、技術的な観点や表現的な観点別に「言語化して説明」しているか、といったところで定量的に評価を行うことが可能でしょう。

 

そしてポートフォリオとして、自身の作品や学びの過程のノートを記録していくことで、どのように「改善」してきたか、どのように進化と深化が進んできているかも評価できます。

 

 

 

 

オンラインイベント「 教科『情報』授業のあり方を考える ~共通テスト試作問題をうけて~」講演より