なぜ子ども達はLINEにのめりこむのか
~SNSとかしこく付き合うために~
第2回 LINEトークにはまり込む若者たち
電車やバスの中でスマホをいじっている人は何をしているのでしょうか。
ネット検索?電子メール?ゲーム?
実は、LINEのサービスを利用しているユーザーも結構多くいるのです。
LINEの中心的なサービスは無料通話でありません。スタンプを利用する「LINEトーク(グループメール)」も重要なサービスとして位置づけられています。
LINEトーク(グループメール)は、一対一のメッセージサービスではなく、友達を、「同じクラスの友達グループ」「仲の良い友達グループ」「中学校の同窓会グループ」などというグループに分けたり、最大同時に100名とメッセージのやり取りができるのが、通話にはできない魅力と言えるでしょう。
その反面このクローズドの環境だからこそ、一歩間違えば楽しいはずのサービスが一転してしまうのも、LINEの怖さと言えるでしょう。
例えば、「既読」という仕組みを例に挙げましょう。LINEではメッセージを相手が読むと「既読」と表示されますが、ジャストシステム社のリサーチ「大学生のLINE利用実態調査(※)」によると、この「既読」がプレッシャーになるのか、半数近くがトーク利用で「LINE疲れ」を感じているといいます。
◆LINEのトーク利用に疲れを感じことがありますか
→疲れを感じるのは、半数。
※出典:ジャストシステム社:『大学生のLINE利用実態調査』(2013年6月)
このアンケート結果は大学生のものですが、興味深い結果が出ていますので、紹介します。
(アンケートは2013年6月13-17日に実施。スマホでラインを利用している18-23歳の大学生男女750人の回答)
大学生なので、高校生と実態はずれているかもしれません。18歳の大学生になったばかりのデータに着目していただければと思います。
◆あなたがスマホで利用するアプリのうち、LINEは何番目によく使うアプリですか
◆他のことを行いながらLINEでトークする「ながらトーク」をよく行いますか
→8割の人は、ながらトーク
◆既読が相手に分かるので返事をしないと悪いと思ってしまいますか
→6~7割が、返事をしないと悪いと思っている。
■LINEがより広い世代に波及していく
LINEは、テレビアニメや、キャラクターグッズとしてインターネットの世界から日常世界へ飛び出して認知度を増し、携帯(スマホ)予備軍とされる中学生、小学生そして幼児までを取り込もうとしています。逆にまた、アニメを見たりグッズを所持している子どもから、親がLINEを教えてもらい利用するという状況もあります。
実際に、幼稚園ママの間でLINEが急速にひろがっているとか、ママ友のLINEの輪に入るためにスマホに乗り換えるか迷っているいう話も聞きます。LINEはますます勢いを増している、そんな感じを受けています。
参考:LINEテレビアニメ&マンガ(LINE公式ブログより)
http://lineblog.naver.jp/archives/21190189.html
■20代以上の子を持つ親世代にLINEは未知数
ここ数年、入学とともにスマホデビューするのがお約束になっている高校生では、PCよりもスマホ中心の環境は当然と言えます。
30代後半、それ以上の世代は、PCの所持率も当然高校生より高く、携帯・スマホは通話のためのメディアと考える人も多いのではないでしょうか。チャットやツイッターなどの通話以外のサービス(メールは除く)はPCで利用する傾向が強いと考えます。
一方、若い人にとって、携帯・スマホは、通話もするのですが、メールやチャット、ツイッターやLINEなどのSNSもできて当然。通話だけでなく「通信」も当たり前。とりわけPC所持率の低い10代は、全ての機能を携帯・スマホに集中させているのは当然と考えることができます。
そして、スマホ登場以降は、PCユーザーだけでなく、ガラケーユーザーにとっても、スマホの世界はなかなか理解できないものになっているでしょう。
LINEというサービスは、電話という「通話サービス」でないため、全てのスマホ・携帯にも始めからインストールされているものではありません。利用者自身がダウンロードし利用するサービスです。
そのため、ガラケー世代でも、もともとLINEとの接点が少ない20代以上の子どもを持つ親世代にとっては、よりなじみが少ないものになってしまいます。
次回は、LINEのサービスの仕組みを説明していきたいと思います。
●執筆:ノブ横地
ホームページ制作/システム開発を通して、三重県認定のエキスパート講師として活躍。主催するセミナー「本気でやる本業を支えるソーシャルメディアのビジネス活用」を通して、全国のユーザーと交流。近年はソーシャルメディアのプロとして、全国の官公庁、商工会・商工会議所、各種団体などで、幅広く講演活動を実施。著書『ソーシャルメディアの流儀』(ブランポート出版局)。