慶應義塾大学SFC 2016年情報入試を振り返って
合格者座談会
Vol.2 入試対策2~SFCの「情報」参考試験と、情報入試模試は必須
他大学の過去問はネットで入手
中野先生:SFCを情報で受けるのに、高校の先生などから反対されませんでしたか。
坂上さん:高校の先生からは、不合格だった場合を考えて他大学の勉強もきちんとしなさいと釘を差されましたが、反対はされませんでした。親は、たまに情報のテキストを開いているのを「遊んでいる」としか思っていなかったようです。他の大学の勉強も一応しましたが、結果として、SFC以外ほとんどの大学から入学許可はもらえませんでしたが。
熊谷さん:両親からは「商業高校や工業高校でしっかり情報を学んだ人が受ける試験だから相手になるわけがない」とは言われました。
中野先生:SFCは入試に情報を導入するにあたって、参考試験を2014年、2015年の2年間行いましたが、参考試験は受けましたか。
熊谷さん:僕は、2015年にオープンキャンパスと同時開催された参考試験を受けました。2014年分は、家で解きました。
中野先生:情報入試研究会の情報入試模試の問題は解きましたか。
堤さん:はい、解きました。
熊谷さん:僕も解きました。
中野先生:情報入試模試4回分だと、過去問のような位置づけとしては少ないですよね。不安ではありませんでしたか。
熊谷さん:もちろん不安でしたが、ほかに何を勉強すればいいかわかりませんでした。なので、ひたすらプログラムを書いていました。情報にまつわる社会情勢のようなものは、受験とは関係なくTwitterなどで見ていました。
堤さん:僕は、参考試験の問題だけでは少ないから、センター試験と京都産業大学のAO入試の情報入試問題以外は、他大学の過去問はネットで手に入るだけ手に入れました。また、基本情報技術者試験とITパスポートの問題は、何年分もひたすら解きました。
インターネットの本やゲーム、パズルも役立った
中野先生:みなさん、ITパスポートの問題やセンター試験の問題以外で参考にしたものはありますか。
坂上さん:情報技術について書いてある本の中で参考になったのは、村井純先生の『インターネット』(岩波新書 1995)と、『角川インターネット講座(1)インターネットの基礎 情報革命を支えるインフラストラクチャー』(角川書店 2014)です。
小野さん:僕は、SFCしか受験しないと決めていたので、まず、情報の教科書は全部わかるようにした上で、論理的思考力を高めるような、ゲームやパズルの本で勉強しました(2013年の入試で物議を醸した数独などをイメージしてもらえればと思います)。プログラミングと共通するかと問われれば、どちらとも言えないという感じです。気分転換に用いました。
中野先生:今、小学校や中学校では、論理的思考力をつけるためにプログラミングを勉強するなどと言われています。皆さん、論理的な思考が得意だからプログラミングの学習が順調に進んだとか、プログラミングの勉強をして論理的思考が向上したと感じることはありますか。
高城さん:僕は、中学校、高校を通してディベートをしてきたのですが、プログラミングとの親和性は高いと思います。論理の組み立て方があるという点が、共通していると思います。
熊谷さん:僕はもともと機械が好きで、『子供の科学』という雑誌をずっと購読していました。それもあって、プログラミングを始めたんです。プログラミングは3回くらい途中で挫折しましたが、去年の4月に、将棋が好きで自分でもコンピュータ将棋を作りたいと思ってチャレンジしたときには、どういう言語を学んで、どのようにプログラムを書けばよいかを積極的に勉強しました。でも、それで論理的思考力がついたと感じたことはないです。
中野先生:そうは言っても、ディベートも将棋も、論理性が求められますよね。まさにプログラミングに共通すると思います。ご本人が意識していたかどうかは別にして、そういう素養があったのかもしれませんね。
◆慶應義塾大学SFC「情報」入試問題を振り返って
大問ごとに出題内容や難しさ、さらには、受験対策などを記入してもらいました。
神奈川県立柏陽高等学校情報科教諭 間辺広樹先生
2016年度慶應SFC情報入試の特徴を解説すると共に、大問ごとそれぞれ、どのような対策が効果的かを考察しました。
2016年に実施された慶応義塾大学SFCの環境情報学部の入試問題を、2年生32名に解いてもらいました。その結果から今後の入試対策を考察します。
◆慶應義塾大学入試問題
※情報入試研究会のサイトより
●解答例はこちら⇒慶應義塾大学SFC情報入試問題を振り返る
※情報処理学会・情報入試研究会協力
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情報処理学会(情報処理教育委員会)・情報入試研究会協力 対策動画
ミスiD2015近藤那央さんによる 「『情報』科目で慶應SFCを目指そう!」
〜2014年、2015年のオープンキャンパスで実施された参考試験の問題解説が、動画版や文章版でもあります