活用例2 情報システムについて学ぶ
<ねらい>情報システムの種類や特徴、そのサービスについて、情報の流れや処理の仕組みと関連付けながら理解させ、それらの利用のあり方や、社会生活に果たす役割と及ぼす影響を考えさせます。そのために、典型的な例である「ネットショッピング」と、情報サービスが意外な産業にも有効である例として「農作物の流通」について、取り上げます。
下記の学習指導要領に対応
【社会と情報】 (4)望ましい情報社会の構築 (ア 社会における情報システム)
【情報の科学】 (1)コンピュータと情報通信ネットワーク(ウ 情報システムの働きと提供するサービス)、(3)情報の管理と問題解決 (イ 情報の蓄積・管理とデータベース)
【p7‐8 楽天株式会社 一見仁さん】のページを用いて
◆ネットショッピングでは、どのような情報システムが必要であるか考える。
例えば洋服を購入する際に、購入者に洋服が届くまでの流れを調べ、流れを図示する。その流れの中のどこに、どのように情報システムが活用されているか、さらにもっと便利にするためには、どのような情報システムがあればよいか考える。
★ヒント
・実際にショッピングサイトをみて、商品の流れや購入者の行動を想像してみる。
・楽天のようなショッピングモールでの商品の購入と、アマゾンなどでの本の購入では商品の流れが異なることも注意して、商品の流れを図に示す。
<参考サイト>
東京農工大学が作成したデジタル教材サイト「『情報』教科で使える教材」の下記のコンテンツに、インターネットショッピングにおける消費者、販売店、金融機関、物流の関連の図が掲載されています。
「電子商取引による情報社会の変化」
・ユニクロなどの製造直販の場合、イオンモールやららぽーとのようなショッピングモールの場合、などそれぞれいろいろな販売形態のリアルショップをネットにどのように展開するかを考えさせてみて、そのどこにどのような情報システムがあればネット販売が可能になるか考えてみてもいいでしょう。
【p9‐10 株式会社和郷 佐久間輝仁さん】のページを用いて
◆どのような情報システムが、農業の抱える課題を改善できるか考える。
本冊子のp9‐10を読み、佐久間さんがどのような課題を解決するために、どのような情報システムを考えたかまとめる。
(1)農作物の生産から、販売に至るまでの仕事の流れを書き出す。
一般的な農作物の流通について、インターネットなどで調べたりするのもよい。
(2)それぞれの仕事の場面における課題は何だったのか考える(生産の課題か、物流の課題か、等)。
(3)その課題に対して、佐久間さんはITを活用してどのような取り組みをしたか考える。
(4)他にもっとITを活用できる場面があるか、そのことで何が解決できるかを考える。
★指導例
ワークシートをもとに、農業の抱える課題を解決する情報システムを考えてみる。
<ワークシートの設問>
Q1 農作物の生産から、販売に至るまでの仕事の流れをまとめよう。
(一般的な農作物の流通について、インターネットなどで調べたりするのもよい)。
Q2 佐久間さんの場合、農作物の流通において、課題は何だったのでしょうか。
Q3 その課題に対して、佐久間さんはITを活用してどのような取り組みをしましたか。
Q4 佐久間さんは、これからはどのような取り組みをしたいと言っていますか。
それには、ITはどのように活用できますか。
Q5 他にもっとITを活用できる場面があると思いますか。そのことで何が解決できますか。
<指導例>
Q1 野菜を生産・販売する際の仕事の流れを書き出させる。種をまき、収穫し、店舗で販売するまでの仕事の流れをイメージしてフローを書く。
<参考サイト>
コメと青果物の流通経路が載っています。
香川県の地産地消に関するサイト 「農作物の流通」
コメに関しては下記のサイトにも流通経路が掲載。
社団法人穀物安定供給確保支援機構 「米はどのようにして家庭まで届くの?」
Q2 解答例
佐久間さんの働く「和郷」は、生産者と独自契約を結び、生産された農作物を直接スーパーに卸すという農作物流通の方式をとっています。生産者は販売契約をしてから作付けをする契約栽培を行っています。この方式は、スーパーへの販売担当者が生産者と連絡を密にとって、生産状況を把握し、出荷量を見積もることがカギになりますが、確実な情報収集がなかなかできないことが課題でした。
Q3 解答例
生産者が生産状況を入力し、販売担当者がそれをいつでも見られるパソコン上のシステムがあれば、これまでより早い段階での調整が可能になり、販売のロスやリスクを減らすことができると考えました。
Q4 解答例
スーパーの人も生産状況が見えるような情報システムを考えています。最終的には、生産から販売まで一貫して管理できるシステムを作り、様々な地区から参加してもらい、地区を越えた農作物売買の場をネット上に作りたいと考えています。
また、作物の質がよく、多く収穫できる作物生産のデータを分析し、生産者に伝えるシステムを作り、販売だけではない生産者へのサービスを行いたいと考えています。
Q5 Q1でまとめた生産から販売の流れの中のどの場面でITが活用できるか考えてみる。
・野菜の生産ならば、土壌改良、種まき、水やり、雑草除草、収穫など生産の流れの中で、ITが活用できる場面を考えてみる。例えば、種の自動選別と自動種まき、気温、湿度や水量などの遠隔監視など。野菜の販売であれば、インターネットでの直販、店舗への入荷状況など。
<参考サイト>
農林水産省が、IT活用による農林水産業の効率化、生産性の向上、農山漁村の活性化等の事例をまとめたサイト。
「農山漁村におけるIT活用事例」
その中で下記の記事などは参考になると思われます。
<発展の課題はこちら>