2016年度慶應新入試、「情報」の問題案公開へ
~変わる大学入試を示す「論理的思考力も問う情報入試」
村井純先生からの「メッセージ」と柏陽高校での試行公開
かつて「未来からの留学生」を標榜し、今「極端のススメ」(http://www.sfc.keio.ac.jp/about_sfc/message.html)を謳う、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)の総合政策学部と環境情報学部が、2016年度から、新入試を導入します。教科「情報」での入試です。その問題案が、「参考試験」として、9/26に公開されました。
その問題について、理系や慶應大への進学者も多い神奈川県の県立柏陽高校生に受けていただき、担当する間辺広樹先生(数学科・情報科)と一緒に、その出題傾向と、教科「情報」の入試について考えてみました。
◆慶應義塾大学藤沢キャンパス(SFC)「情報」入試導入の狙い
村井純 慶應義塾大学環境情報学部長からの「高校教育へのメッセージ」
インターネットの生みの親とされる村井純先生。「今や、知らないことは、事前に調べて、得られた知識を使ってどのように考えるのかを教えるのが、先生の役割になっています。だからこそ、情報の学習は、すべての教科に入るアプローチであり、道具の使い方を学ぶ学習としても重要です。だから、情報は、入試にも必要だと考えました」。
受験科目として選ぶ可能性。課題は受験勉強だが、役立つと思っている
神奈川県立柏陽高等学校 間辺広樹先生
参考試験を授業内で解かせた結果と、同時に行ったアンケートを分析。「情報の科学」で重要な問題解決能力としてのシミュレーション、統計的分析、手続き的な処理について、生徒の能力差を適切に測ることができる質の高い問題と講評。一方、高校生は、理系の7割、文系の5割が、情報が受験科目になれば選択する可能性も見えてきました。分析結果を詳しく報告します。
アルゴリズムやシミュレーション、計算も多く、「情報の科学」中心
2014年7月30日「情報」の参考試験が実施されました。各40分で合計3回が行われ、3回ともすべて違う問題が2問ずつ用意されていました。情報モラル、セキュリティからの出題もあるものの、「情報の科学」が重視する「問題解決の基本的な考え方と手順」「モデル化とシミュレーション」「アルゴリズム」「プログラム」などからの出題が目立ちました。各問題について概略を解説します。