【授業事例20】

サンプルサイトを活用して、WEBサイト制作授業を充実させる

千葉県立八千代東高校 谷川佳隆先生


谷川佳隆先生
谷川佳隆先生

ここで紹介するのは、平成26年3月まで勤務していた千葉県立船橋芝山高校での実践です。船橋芝山高校では、2年次に必修で「情報B(平成26年4月から「情報の科学」、以下同)」を2単位、2年次の自由選択と3年次の文系選択で「情報C(「社会と情報」)」を学ぶことができました。私は、この2-3年生の選択科目を3年間担当しました。

 

授業内容をコンテンツにしたWebページを作る

 

選択の「情報C」では、

1学期 データの処理とグラフ化、プレゼンテーションの作成と発表準備、

2学期 プレゼンテーションの実施と相互評価、Webページの作成

3学期 Webページの完成

を目指して授業展開をしていました。

1年目は各自課題に沿ったWebページを作成しましたが、生徒の意欲や関心を高めることができなかったので、2年目から方法を変えました。2単位という限られた時間の中で、個人でWebサイトを完成させることは、経験のある人には可能であっても、全員の目標としては難しいです。そこで、中途半端に終わってしまうことを避けるために、グループでWebサイトを作成し、完成することにしました。そのためには、グループ活動がスムーズにできることが必要なので、上記の活動とは別に課題解決を目的にした3回のワークショップを行い、グループ内で自然にコミュニケーションが取れることを目指しました。

 

個人活動とグループ活動を融合することで、より効果の高い授業へ

 

Webサイトは、1年間の学習内容をコンテンツとして、5ページ構成で作成します。5ページのうちホームと学校紹介の2ページは各自で作り、残りの3ページをグループで分担して作成したものを各自自分用にカスタマイズして、一人ひとりの作品として完成させるようにしました。

 

Webページの作成には、TeraPadというエディターソフトを利用し、0からタグ打ちさせていたのをやめて、シンプルCSSテンプレートを活用しました。

 

まず、サンプルをもとに、サイト内容の紹介をする「ホーム」と「学校紹介」のページは一斉指導で各自に作成させます。この段階でHTMLの基本的なタグや構造を理解させます。各学期の学習内容はグループのメンバーで分担してそれぞれ作成します。グループのメンバーが作ったページを自分のサイトに組み込むためには、単にコピペするだけでなく、それぞれのページに自分が作成したプレゼンテーションのスライドなどを入れなければなりませんし、タイトルやコピーライトなどを修正する必要もあります。このようなことを通して、各自の著作物としての意識を高めることにもなりました。

 

各自のスライドも、最初の年は画像で表示しただけでしたが、次の年はフラッシュにしてファイルとコードをページ内に取り込むようにしました。

 

サンプルサイトを活用したことで、サイトを完成させるまでの時間を短縮することができました。1年目は完成したグループは約半数でしたが、2年目になると6グループ中5グループが完成させることができました。さらに、グループ活動を取り入れたことで、多くの生徒がWebサイトを完成に至らせることができるようになっただけでなく、生徒同士が教え合ったり、効率よく指導ができるようになったりと、限られた時間内でのWebサイトの指導がうまくいったと思います。


<参考>

シンプルCSSテンプレート [Cool Web Window] http://www.coolwebwindow.com/template/simple.php

Photo Slideshow Maker フリー版

http://www.anvsoft.jp/photo-flash-maker-free.html#a1

※第62回ICTE情報教育セミナー(2014年5月18日 武蔵大学)ポスターセッション発表